不動産クラウドファンディングを始めた人が最初にぶつかる壁は、リスクでも税金でもなく、**「投資したいのに投資できない」**ことです。
良さそうなファンドを見つけて、募集開始の時刻にアクセスしたら、もう満額。抽選に申し込んでも、外れる。この繰り返しで、資金が口座で眠り続けることになります。
当サイトの掲載データを見ても、9,094件のファンドのうち現在募集中は14件です。運用中を含めても1,079件。つまり、掲載されているファンドの大半は、すでに終わっているか運用に入っています。投資できる窓は、常にごく狭いというのが実態です。
この記事では、その窓を少しでも広げるための現実的な方法を整理します。
募集方式には大きく2つあります。
| 先着式 | 抽選式 |
|---|
| 決まり方 | 申込順。上限に達した時点で締切 | 募集期間終了後に抽選 |
| 必要なもの | 速さ(事前準備と回線) | 数(応募機会を増やす) |
| 有利な人 | 募集開始時刻にPCの前にいられる人 | いつでも申し込める人 |
| 資金の拘束 | 申込と同時に必要なことが多い | 当選後に入金することが多い |
| つらいところ | 数分で埋まることがある | 何度も外れる |
**先着式は「準備の勝負」、抽選式は「回数の勝負」**です。それぞれ対策が違います。
なお、当サイトが各サービスの募集ページから取得した情報の範囲では、同じ事業者でもファンドごとに方式が異なるケースが確認できます。たとえばあるサービスでは抽選式と先着式のファンドが半々程度の割合で混在していました。「この会社は抽選」と決めつけず、ファンドごとに募集ページで確認するのが確実です。
まず前提として、抽選そのものの確率を操作する方法はありません。できるのは、応募できる機会を増やすことと、当選したときの受け取りを最大化することです。
1. 複数のサービスに口座を開いておく
これが最も効きます。1社しか登録していなければ、その1社の募集にしか応募できません。
当サイトには16社を掲載しています。すべてに登録する必要はありませんが、3〜5社程度に口座があると、応募機会は大きく変わります。口座開設・維持に費用はかからないのが一般的です。
各社の詳細は運営会社一覧から確認できます。
2. 募集額の大きいファンドを狙う
同じ応募者数なら、募集額が大きいファンドのほうが当たりやすいのは自明です。
募集額1,000万円のファンドと3億円のファンドでは、受け入れられる投資家の数が桁違いです。利回りが少し低くても、確実に投資できるほうが年間の資金効率は高くなることがあります。
3. 部分当選のあるサービスでは、上限に近い金額で申し込む
サービスによっては、申込額の一部だけが当選する「部分当選」の仕組みがあります。この場合、申込額に比例して配分される設計であれば、多く申し込むほど配分も多くなります。
ただし、配分のロジックはサービスによって異なります(申込額に応じた按分、口数単位の抽選、完全な当落など)。必ず各サービスの説明を確認してください。 当選した分は全額入金する必要があるため、入金できない金額で申し込むのは避けましょう。
4. 先着式と組み合わせる
抽選式だけを狙っていると、外れ続けたときに資金がまったく動きません。先着式のファンドも候補に入れておくと、機会の総数が増えます。
5. 補欠・繰上げの仕組みを確認する
当選者が入金しなかった場合に、繰上げで当選となる仕組みを設けているサービスもあります。制度の有無と通知方法を確認しておくと、思わぬ機会を拾えることがあります。
先着式は、募集開始の瞬間に何ができているかで決まります。
前日までに済ませておくこと
- 口座開設と本人確認の完了(これが未了だと参加すらできません)
- 投資資金の入金(申込と同時に資金が必要なサービスが多いため)
- 募集開始の日時をカレンダーに登録
- 投資する金額を事前に決めておく
当日にやること
- 募集開始の5分前にはログインした状態で待機する
- 回線が安定した環境を使う(可能ならPC、有線接続)
- 開始時刻ちょうどにページを更新する
それでも、人気ファンドは数分で埋まります。負けても仕方がないと割り切って、次の機会に備えるほうが精神的にも健全です。
当選後の入金忘れ
抽選に当選しても、期限までに入金しなければ無効です。当選通知はメールで届くことが多いため、次を確認しておいてください。
- 各サービスからのメールが迷惑メールフォルダに振り分けられていないか
- 通知メールの設定がオフになっていないか
- 入金期限が何日後か(サービスによって異なります)
せっかく当たったのに気づかず失効するのは、いちばんもったいないパターンです。
「投資できない期間」のコスト
抽選に外れ続けている間、資金は口座で眠っています。この待機時間は、年間で見た資金効率を確実に押し下げます。
想定利回り6%のファンドに投資できても、1年のうち3ヶ月しか運用できていなければ、実質的な年利は大きく下がります。この計算は実質年利を検証した記事で具体的に扱っています。
だからこそ「応募機会を増やす」ことは、単に当たりやすくする以上の意味があります。
焦って条件の悪いファンドを選ぶ
外れ続けると、「どれでもいいから投資したい」という気持ちになります。ここが危険です。
募集がすぐ埋まらないファンドには、埋まらない理由があることもあります。利回りの割に運用期間が長い、劣後出資が薄い、物件情報が乏しい、といった点です。投資できないことより、条件を確認せずに投資することのほうが損失につながります。
判断基準は失敗しない選び方の記事にまとめています。
最後に、考え方の話をします。
理想は「最良のファンドを選んで投資する」ことですが、現実には**「投資できるファンドのなかから、条件を満たすものを選ぶ」**という順序になります。
そのために有効なのは、次の2つです。
- 選択肢を広げる — 複数のサービスに口座を持ち、募集の総数を増やす
- 基準を先に決めておく — 「劣後出資10%以上」「運用期間12ヶ月以内」など自分の合格ラインを決めておけば、募集が出たときに迷わず判断できます
当サイトでは、募集中のファンドを運営会社横断で一覧できます。条件で絞り込んで比較できるので、基準に合うものが出たときにすぐ気づけます。